M-01

ANALOG HIGH-END PORTABLE HEADPHONE AMP

M-01の特徴


唯一無二の高精度製造プロセス

 高精度製造の定義

左右チャンネルの増幅特性を信号経路上の増幅ステージ毎に完全に揃える。

 増幅特性を揃えた効果

不自然感、滲み感、混濁感の解消、空間再現性の向上が考えられる。

 

ヘッドホンアンプに高精度が求められる理由

 ヘッドホンから再生される音は、左右別々に耳に届きます。左右の音が物理的に合成される事は一切無く、完全に脳の中でステレオに合成されます。

 

 もし左右の音が違っていたらどうでしょうか。完全に左右独立した音なら若干音色が違く感じる程度で済むと思いますが、左右同じ音量で再生され本来センターに定位すべき音の場合は、不自然な音として脳の中でステレオに合成されます。

 どの程度の精度が必要か断言出来ませんが、精度を上げれば上げる程、音の不自然感、滲み感、混濁感等が解消し、空間再現性の向上等につながると考えます。

 

 M-01はこの様な考えを実現するために、恐らく民生品として二つとない膨大な検査と工数を掛けた手法を用い、完璧な1台を製造する事を決意しました。

 

 以下にその詳細を記します。


<製造プロセス詳細>

1. 選別ペアマッチング

部品単体の特性を測定し、左右チャンネル用に同一特性の部品を割り当てる事で、部品の特性ばらつきを実質的にキャンセルさせます。

 

 管理項目

J-FET:VGSとIDSSの 2ポイント
BJT:hFE(直流電流増幅率)
抵抗 / コンデンサ:測定値
 ▶トランジスタの選別ペアマッチング

 

参考:トランジスタ出力特性違いの計算結果

※M-01回路、実線:ゲイン、破線:位相

赤:IDSS 5mA、hFE 200 品

青:IDSS 3mA、hFE 150 品

 

説明

 トランジスタの値は、規格上下限等の極振りではなく、現実的な値にて計算しています。

 回路にもよりますが、M-01の回路の場合は、高周波領域の特性が全く違う結果になってしまいます。

 

 可聴帯域外なので関係ないと考える事も出来ますが、M-01は左右チャンネルの特性が揃う様に配慮し製造します。

 この特性の違いは、スーパーツィーターを体感した事がある方なら、なんとなくご理解いただけると考えています。

 ※1 NFB回路を使用すると特性差はかなり緩和します。

   注:M-01は、NFB回路は採用していません。

▶NFB(ネガティブフィードバック)回路とは

 ※2 M-01の ” Discreet ” はこの一連の作業を示します。

 


2. アッセンブル

大型のフィルムコンデンサは、測定し方向を確認した後、方向を管理して組立。

抵抗等、測定しても方向確認が出来ない部品は、マーキングの向き基準で方向を管理して組立。
  ▶フィルムコンデンサ・抵抗の組付方向管理

 

3. ベンチテスト実施項目

  • エージング(負荷/出力/周波数変動)
  • 歪率測定
  • 残留雑音測定
  • ゲイン / 位相測定
  • チャンネルセパレーション測定
  • 入出力インピーダンス測定

重点管理項目:

左右チャンネルのゲインと位相差

▶M-01 性能測定詳細

▶TEST RESULT サンプル



音質最優先

 図はスピーカー駆動用ハイエンド系大型アンプのブロック図です。

 M-01の回路設計は、この様な大型アンプをベースにスタートしています。

図の説明

緑:パワーアンプ基板

灰:放熱用ヒートシンク

燈:電源部(トランス、コンデンサ類)

青:ボリューム、セレクター等

桃:入出力端子類

 

<設計アプローチ>

 

1. 装備の断捨離

  • ボリューム廃止による音質劣化抑制
  • 外部電源化(更なる音質向上の拡張性確保)
  • 入力1系統化

2. ヘッドホン用に出力最適化

  • ヒートシンクをアルミケースで代用
  • 電流増幅段トランジスタの個数削減によるコンパクト化
  • ポップノイズ防止用リレーの廃止によるコンパクト化
     ~ 基板サイズ約1/2

3. その他 M-01 こだわりの項目

  • 選別ペアマッチ部品による、特性バラツキ補正回路全廃
  • 部品の最短距離配置による基板内配線長最小化
  • 無帰還アンプ化
     ~ 基板サイズ更に約2/3 ▶内部構成

 M-01は信号増幅のために必要な装備以外は全て捨て去り、信号劣化を最小限にする事を最上位概念として設計しています。

 

 結果として持ち運び可能なサイズになったためポータブルを語っていますが、中身は大型アンプそのものです。

 

 その証拠として、ほとんどの使用部品の耐圧は50V以上で、ヘッドホンアンプとしては完全にオーバースペックです。

 

 付加機能は要らないので、とにかく良い音質で音楽を聴きたい音質最優先のユーザーに共感いただける様に設計しました。



DAP + 低感度 & ハイインピーダンスヘッドホン対応

 据置型のヘッドホンアンプにDAPを接続時、アンプの最大出力の割にボリュームを上げても音量が小さいと感じる時があります。

 

 アンプのゲイン設定が低い事が原因です。

据置型のCDプレーヤーの出力レベルはDAPの倍程あるため、据置型同士の接続を優先していると考えられます。

 図はアンプの信号増幅率(ゲイン)を示します。アンプの入力レベル(=DAPの出力レベル)が半分なら、ゲインは2倍必要な事が分かります。

 

 ヘッドホンを変えたら音量が足りない。ヘッドホングレードアップ時に良くある話ですが、以下の原因が考えられます。

  1. ヘッドホンの感度(dB/mW or dB/V)が低い。
  2. アンプのゲインが低く、DAPの出力レベルではアンプの最大出力に達しない。
  3. アンプの出力そのものが低い、もしくはハイインピーダンスヘッドホン接続時のみ出力が極端に低い。

 原因がシンプルなものに付いては説明を割愛させていただきますが、難解な「ハイインピーダンスヘッドホン接続時のみ出力が極端に低い」件の説明をします。

<ハイインピーダンスヘッドホンの特徴>

P(W) = E(V)^2 ÷ Z(Ω) 式より、インピーダンス(Z)が2倍になると電圧(V)は4倍必要になります。

 

 具体例:

10mW出力時のアンプの出力電圧

16Ω=0.4Vrms

300Ω=1.73Vrms

出力電圧1Vrms時の出力電力

16Ω=62.5mW

300Ω=3.33mW

 

 出力電圧1VrmsのDAPに300Ωのヘッドホンを直挿しすると、3.33mWしか出力が得られないため、DAPのボリュームを最大にしても録音レベルが低目の曲は音量不足に感じる可能性があります。

 

 ではゲイン高目のアンプにすれば良いのかというと、

図の様な事も考えられます。

 

この様な特性になるのは、電源の電圧が低いため信号の振幅が稼げないためです。

 

この様な状態で振幅を稼ぐには、

  1. バランスアンプをバランス接続で使用する。
  2. 昇圧回路で、アンプ駆動部の電圧を上げる。
  3. 十分な電源電圧で駆動する。

の3通りの方法があります。M-01は、

電源入力Nomalポジション= 2.

DC-Direct= 3.

と2種類の選択が出来る仕様にしています。

 

▶M-01の電源について



仕様

  • 電源:DC 5V または 12V
  • ゲイン(信号増幅率):約10.6dB※
  • 周波数特性:約5Hz~350kHz※
  • 定格出力:250+250mW以上※
  • THD+N:0.015%以下※(1kHz,1mW)
  • S/N比:120dB以上※
                ※は 32Ω負荷時

 ▶仕様  ▶接続方法


保証

M-01:1年(機器内部は3年)+7日

付属品:初期不良のみ対応

 ▶製品保証について


付属品

  • M-01本体
  • 3.5mm オーディオケーブル カナレ MS-202
  • 3.5→6.3mm変換プラグ
  • ACアダプター
  • ACアダプター用電源ケーブル
  • 取扱説明書
  • TEST RESULT

▶取扱説明書 ダウンロード

▶TEST RESULT サンプル


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