ヘッドホンから出る音量はヘッドホンの感度とアンプの出力で決まります。アンプの出力が固定ならヘッドホンの感度が全てです。
でも「このヘッドホンは感度は普通だけどインピーダンスが高いので、このアンプでは鳴らしきれない」というコメントを目にする機会は良くあると思います。
インピーダンスが高いとどうなるか説明します。
図はヘッドホンのインピーダンスと100mW出力時の電圧 / 電流の関係を示します。
16Ωのヘッドホンは電圧は低目で電流が多め、600Ωのヘッドホンは電圧は高めで電流が低目である事が分かります。
アンプの能力が無限であれば、16Ω、600Ωどちらでも狙った音量が得られますが、物には必ず限界があります。何が限界なんでしょうか。
<電圧の限界>
アンプは電源電圧を超えた信号増幅は出来ません。3.9Vや5.0V駆動のアンプでは、ハイインピーダンンスのヘッドホンでは電圧が足りなくて出力が稼げない事が分かります。
グラフの縦軸はVrmsで記載していますが、要求電源電圧は信号フルスイング(Vrmsの2.82倍)+α 必要になります。
※ 関連:▶音声信号
<電流の限界>
例えば100mWの出力を出したい時、最大出力電流50mAのアンプでは、32Ω以下のインピーダンスのヘッドホンでは電流不足である事が分かります。
その他限界とは関係ありませんが、突発的な外部からのノイズに対しては、電圧を高目で使用するインピーダンスの高いヘッドホンの方が、信号とノイズの比的に有利になります。