DMMの測定値をExcelにコピペする

はじめに

　ハンドヘルド型のデジタルマルチメーター（以下DMM）でも専用ソフトを使い測定結果をPCに保存出来るモデルがあります。

　しかしほとんどの専用ソフトは測定ログの保存を目的に設計されているため、任意のタイミングで測定値をPCに取得する事は困難です。

　ここでは、DMMの測定値を任意のタイミングでExcelに直接コピペする方法を紹介します。※ここで言う任意のタイミングとは、DMMから送り出された最新の測定データを示します。

　尚、以下に紹介する Excel VBAのプログラムは個人の利用を目的に作成しましたので、商用利用はお止めください。

フリーソフト Ts Digital Multi Meter Viewer 画面右上のSETTINGを開き、Copy the latest value to clip board.にチェックを入れます。
計測サンプルファイル（Excel）をダウンロードします。
ダウンロードが嫌な場合は、こちらのページを見ながら自分でExcel VBAファイルを作成します。
Excelファイルを開き、開発タブが表示されているか確認します。 ※開発タブが表示されていない場合はこちらを参照。
DMMをPCに接続し、Ts Digital Multi Meter Viewerを起動し測定（CONNECT - START）を開始します。※ ファイルを開く（接続する）順番は任意です。
Excelの任意のセルを選びGETボタンを押すと測定値を取得出来ます。F4キーを押しても測定値の取得が出来る様にプログラミングしています。※1度だけGETボタンを押す必要があります。

Ts Digital Multi Meter Viewer の Copy the latest value to clip board.にチェックを入れると、DMMの測定結果がPCのクリップボードに連続した文字列として取り込まれます。
例） 0:05'38"99 , AC , 53.410 , mV , FREQ. , 49.980 , Hz , , 2021/08/18 11:48:04
連続した文字列を、プログラムの以下の構文でカンマ区切りで分解し、A1セルにペーストします。
※ プログラムに辿り付くにはこちらのページをご覧いただければ分かると思います。

以下プログラム
　Dim myStr As String
　Dim Pref() As String
　Dim i As Long
　ActiveSheet.Paste Destination:=Range("A1")
　myStr = Range("A1").Value
　Pref = Split(myStr, ",")
　For i = 0 To UBound(Pref)
　　Cells(1, i + 1).Value = Pref(i)
　Next i

補足
ペースト先をA1以外にする時は、構文中の全ての A1 と 1,i+1 を修正します。
縦に分解したい時は、1,i+1 を i+1,1 にカンマの前後を入替ます。
ActiveCell.Value = Range("C1").Valueはペーストの構文です。
D1セルの値をペーストしたい場合は、C1をD1に修正します。
Private Sub Form_KeyDown(KeyCode As Integer, Shift As Integer)
Select Case KeyCode
Case vbKeyF4
　　　　Call GET_Click
End Select
はGETボタン = F4キーにする構文です。違うキーに変更したい場合はF4をF3等に修正します。

本プログラム作成時の環境は以下になります。

　本プログラムを発展させて2台のDMMを同時に使用する事は非常にやっかい（クリップボードに取り込んだ文字列一行単位を使用するため）なので、2台同時使用が必要で新たにDMMを購入する場合はベンチトップ型のDMMをおすすめします。

　ご質問や有意義な情報等がございましたら、info@edgeindustrialdesign.comへご連絡ください。

公開日：2021.08.18